資金繰りをおろそかにしていると黒字倒産になる可能性がありますから注意が必要です。赤字が続いて倒産するのは、だれにでも相続がつくことでしょう。しかし、黒字であっても経営を続けられなくなる可能性があります。というのも、黒字というのは帳簿上で計算をするからです。
たとえば、経費よりも売り上げが上回れば利益が発生し、黒字になるでしょう。しかし、売り上げが発生したからと言って、すぐに資金が入るわけではありません。売り上げが発生してから数か月後に入金されるというのが日本の商習慣ですから、しばらくの間は売り上げが発生しても資金のない状態が続きます。この間にもいろいろな支払いをしていくことは必要となります。
このような状態が続くと支払えなくなってしまう可能性があるでしょう。帳簿上に多くの資産があって、損益も十分に良かったとしても、支払うときに資金がない状態になることがあります。このようになると、取引を続けていくことができなくなるわけです。これによって倒産することを黒字倒産と呼びます。
帳簿上の利益を拡大させることは経営者として大事なことの一つですが、それとともに資金繰りも非常に重要なことだといえるでしょう。事業がうまくいっている時こそ、資金をきちんと回していくことを考えていかなければなりません。そのために資金調達の方法はいろいろとあります。たとえば、規模の小さい企業なら借り入れをするのが良いでしょうし、大企業であれば資金繰りのために増資することもあります。