ファクタリングは企業が持っている売掛債権を買い取ってもらい、できるだけ短期間に現金化を図るうえで重要な役割を果たしています。通常、企業が資金繰りに困った場合、銀行などに手形割引をしてもらったり、短期融資を受けるケースが多々見受けられます。しかし、銀行の融資を受けるには相応の日数が必要とされ、金額によっては本店までの稟議を仰がねばなりません。そうなると、現金化するまでの間に時間ばかりが経過し、最悪の場合「黒字倒産」という憂き目に直面しかねないのが実態です。
緊急の資金を必要とするならば、信用と実績のあるファクタリング企業に依頼をし、早期の現金確保でピンチを凌いでいかねばなりません。この時忘れてならないのは、銀行は銀行法に基づいて業務を行っていることです。また、消費者金融を手掛ける企業は貸金業によって金利に制限が設けられているのですが、ファクタリング企業の手数料を制限する法令は現段階では整備されていません。そのため、中小企業者の足元を見て、法外な手数料を差し引いた金額しか現金化されない場合もあり得るのです。
1、000万円の売掛金に対して仮に15%の手数料を取られたならば、現金化されるのはわずかに850万円です。短期間でキャッシュを手に入れるメリットはあるのですが、ファクタリング企業の選択を一歩間違えると、原価計算上で大きな損失を被ることになりかねません。ファクタリングを管理・監督する政府機関は、経済産業省です。あわてて現金化する前に、その取扱企業の評価・評判などを確認してみるのも、有効な方策と考えられます。
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